都立高校入学への道
推薦入試と一般入試
推薦入試(1/26頃に実施)
学力試験は行わず、
○調査書(内申点=通知表の成績を点数化したもの)
○面接
○作文・小論文等(学校によって実施)
等を点数化して、それらの得点を合計した総合成績の順に選抜。
一般入試より、約1ヶ月早く行われる。
※自己PRカードは点数化せず、面接の資料として活用。
一般入試(2/21頃に実施)
○学力検査点(学力試験の得点)
○調査書(内申点=通知表の成績を点数化したもの)
を点数化して、それらの得点を合計した総合成績の順に選抜。
学力試験は、基本的に国・数・英・社・理の5教科。
国・数・英の3教科の高校もある。
一部の高校では、実技や面接、作文も総合成績に加算。
※自己PRカードは2011年度入試より面接がある場合のみ出願時に提出。
(面接を実施しない高校の場合は、合格決定後に提出。)
学力試験と内申点
一般入試では、主に、学力試験の点数と内申点の点数を合計した総合得点(1000点満点)が、合否に大きく関わってきます。つまり、都立の一般入試は、学校の成績(※1)と、入試当日の試験のどちらも、おろそかにできない、ということです。
(※1:ここでの学校の成績とは、3年2学期の成績です)
学力試験(5教科)と内申点の比重は、7:3(※2)です。当日の試験の成績がより重視されていることがわかります。総合得点は、1000点満点なので、単純に計算すると
学力試験=700点
内申点=300点
という点数の配分になります。
(※2:定時制課程の学力比重は、7:3もしくは6:4から各校が選択します。詳しくは高校案内等でご確認ください。)
内申点の換算方法
素内申
通知表の9教科の成績をそのまま合計したもの。(45点満点)
都換算内申
実技科目(音楽・美術・保体・技家)の成績を2倍に換算して合計したもの。(65点満点)
内申点には上記の2種類があります。
都立の一般入試では、後者の都換算内申を使用します。
たとえば、Aさんが武蔵野北高校を受験した場合
【例:Aさんの通知表の成績】
国4 数4 英4 社5 理4 音4 美4 体4 技4
5科(4+4+4+5+4)+実技4科(4+4+4+4)×2
=53
300点 | × | 53 ――― 65 |
= | 244点 (端数は切捨て) |
(電卓を使う場合は、300×53÷65≒244 が簡単)
学力試験の換算方法
次に、学力試験の得点の換算方法は、以下のようになります。
【例:Aさんの学力試験の得点】
国85 数75 英90 社90 理80 5科合計:420
学力試験は5科で500点満点なので、割合は420/500です。
これを、700点満点に換算すると、
700点 | × |
420 ―――― 500 |
= | 588点 (端数は切捨て) |
(電卓を使う場合は、420×7÷5=588 が簡単)
以上の二つを合計すると、Aさんの総合得点は
(換算後の学力試験の得点)588点 +(内申点)244点=832点
になります。
この総合成績の順に選抜が行われるわけです。
合格の目安
以上、総合得点の算出方法についてお伝えしてきました。
では、実際に高校を受験する場合、どれぐらいの総合得点があれば合格できるのでしょうか。各出版社から出ている高校案内に、その目安が出ています。たとえば、先ほど登場していただいたAさんが女子の場合、武蔵野北高校の合格の目安が、830点(女子)となっていたとします。
(これは、あくまで合格可能性60%を示したものです。年度によって数値は変動します。)
Aさんが、この目安を参考にする場合、
830点 - (内申点)244点 = 586点
Aさんが武蔵野北高校に合格するためには、学力試験で586点以上取ることが必要になってきます。
ここで、「5教科すべて満点でも500点にしかならないのに、どうやって586点もとるのかしら?!」などとあわててはいけません。
この点数は、700点満点での点数なので、これを500点満点に換算する必要があります。
先ほどの計算を応用して、
586点 | × |
500 ―――― 700 |
≒ | 419 |
(ここでは、小数点以下を切り捨てて、点数を低く見積もると危険なので、端数は切り上げて計算したほうが良い。)
(電卓を使う場合、586×5÷7≒419 が簡単)
Aさんは、当日の学力試験では、419点以上を取れば、合格の可能性が出てくるわけです。
ここまでお話しした内容の要点をまとめると、
学力試験と内申点の比重が7:3の場合の総合得点の算出方法
300 × 換算内申 ÷ 65 =(1)[内申点]
学力試験の得点 × 7 ÷ 5 =(2)[学力検査点]
(1)+(2) = 総合得点
「合格の目安」から、学力試験での必要得点を割り出す場合
(合格の目安の総合得点)-(1)[内申点] = (3)
(3) × 5 ÷ 7 = 学力試験での必要得点
ということになります。
みなさんも、通知表の成績を使って、志望校の当日必要得点を計算してみてください。それと、現在の模試や定期試験での結果と比べてみたときに、これから入試まで、どれだけ学力を上げなければならないか、より一層、現実的に感じられることと思います。その上で、しっかりと計画を立てて、勉強していくことが肝心です。
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