都立高校の分類
都立高校の多様化
東京都は、近年、都立高校の改革を進めてきました。新しいタイプの学校を開校するとともに、進学指導重点校に代表されるような、すでにある学校の改革や特色化も行っています。こうした都立高校の多様化を踏まえ、今、どのような学校があるのかを、以下にご紹介いたします。
都立高校分類表
区分 | 該当する学校 | |
---|---|---|
全日制 | 普通科 | 西、 豊多摩、 井草、 石神井、 鷺宮、 練馬、 他多数 |
普通科(コース制) | 小平(外国語)、 片倉(造形美術)、 他 | |
普通科(単位制) | 新宿、 飛鳥、 国分寺、 芦花、 上水、 大泉桜、 板橋有徳、 他 | |
専門学科 |
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総合学科 | 晴海総合、 杉並総合、 世田谷総合、 東久留米総合 他 | |
定時制 | 昼夜間定時制 |
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夜間定時制 |
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通信制 |
一橋、
新宿山吹、
砂川
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高等専門学校(高専) |
産業技術高専(1校のみ)
|
普通科
- ○
- 都立高校のうち、最も多くの割合を占めます。多くの場合、卒業後には、進学(大学、短大、専門学校、等)を目指します。
(例) 西、豊多摩、井草、石神井、鷺宮、練馬、他多数
- ※
- 本分類の高校のみ、男女別に募集定員が設定されています。次項以降の普通科(コース制・単位制)、専門学科、総合学科、定時制は、募集定員に男女の区別はありません。
普通科(コース制)※新しいタイプの高校
- ○
- 普通科の中には、「コース制」の学校があります。コース制では、普通科としての範囲内で、特定の教科に力を入れています。
(例) 小平(外国語)、片倉(造形美術)、他
普通科(単位制)※新しいタイプの高校
- ○
- 「単位制」とは、何でしょう? 「単位制」でない学校は、すべて、「学年制」です。学年制では、出席や成績が基準に満たない場合は「原級留置」(=「留年」)となります。
- ○
- そもそも、高校卒業として認められるだけの学習をしたかを計算するのが「単位」です。週1回の授業を1年間受け、出席と成績が基準以上であれば、「1単位」として認められます。
- ○
- 単位制では、学年に関係なく、卒業に必要な単位を取得すれば卒業できます。多くの選択科目が、特に2・3年次に、設けられており、落とした単位があっても、次学年で選択科目として履修できれば、留年せずに済みます。
- ○
- 普通科の単位制高校は、特色のある選択科目を設けている学校が少なくありません。後述の「総合学科」は、普通科の範囲を超えて、より多くの種類の科目を学ぶことができます。
(例) 新宿、飛鳥、芦花、大泉桜、他
専門学科
- ○
- 工業や商業に代表される、専門的な内容の学習をするのが、専門学科です。工業であれば、材料の加工や電気工事、商業であれば、簿記などを学習します。その分、数学や英語等の普通科目を学習する時間は少なくなります。
- ○
- 工業や商業のほかに、農業、水産、保健体育、芸術、国際、等の専門学科があります。卒業後には、身につけた技術を生かして就職を目指す場合の他に、さらに、専門の分野の学習をするために、進学を目指す場合があります。
- ○
- 千早(ビジネスコミュニケーション)、国際(国際)、等のように、新しいタイプの専門学科の高校も開校しています。
- (例)
-
商業系 : 第一商業、芝商業、千早、他
工業系 : 蔵前工業、中野工業、他
農業系 : 農芸、農業、他
国際系 : 国際、他
その他 : 総合芸術(音楽、美術、舞台表現)、駒場(保健体育)、他
- ※
- 上記の系統分類は、便宜上したもので、東京都教育委員会がこのように分類しているわけではありません。
- ※
- 専門学科の中にも、忍岡(生活科学科)のように単位制の学校があります。
総合学科(単位制)※新しいタイプの高校
- ○
- 総合学科は、「普通科 + 専門学科」の学校です。多くの選択科目を設置し、様々な進路に対応できる学習ができるようになっています。総合学科は、こうした性格上、必ず「単位制」になっています。
(例) 晴海総合、杉並総合、他
- ※
- 「普通科」と同じような選択もできるため、普通科への進学を考えている場合は、総合学科も志望校の候補にすることができます。
昼夜間定時制(普通科単位制)※新しいタイプの高校
- ○
- 以前は、定時制と言えば「夜間定時制」のことでしたが、最近は、昼間の時間帯に通うことのできる定時制の高校があります。
- ○
- 以下のように、授業を行う時間帯の異なる3部制をとっています。
1部:午前中から授業
2部:午後から授業
3部:夕方から授業
- ○
- 定時制(昼夜間・夜間とも)は、基本的に1日4時限で、4年間で卒業します。しかし、昼夜間定時制では、単位制を取っており、オプションで授業を受けることによって、全日制と同じ3年間で卒業できる仕組みがあります。
(例) 新宿山吹、荻窪、他
チャレンジスクール=昼夜間定時制(総合学科単位制)※新しいタイプの高校
- ○
- 不登校等の経験のある生徒を積極的に受け入れることを目的とする、新しいタイプの学校です。
- ○
- 入試では、学力試験を課さず、面接・作文で合否を決めます。これまでの経歴や、人物、高校に進学してからの目標等が重視されます。
- ○
- いろいろな生徒を受け入れ、対応できるように、昼夜間定時制(朝が苦手でも通えるようにする)、総合学科・単位制(中学までの基礎学力を身につけるための授業や、興味・進路に応じた科目・内容の学習が行えるようにする)、となっています。
(例) 世田谷泉、稔ヶ丘、他
夜間定時制
- ○
- 学年制(4年間)で、夜間に高校に通い、学習します。
- ○
- 近年はニーズが減っているためか、入試でも定員割れしており、急速に学校数を減らしています。
- ○
- 夜間定時制は、全日制の学校に併設されており、普通科と専門学科があります。全日制では専門学科の高校に、夜間定時制の普通科が置かれている場合もあります。
- (例)
- 普 通 科 :豊島、大山、神代、他
専門学科:中野工業、第五商業、農芸、他
通信制
- ○
- 普段は自分で学習を進め、レポートを提出しつつ、スクーリングや定期試験の時に学校に通います。3年間以上在籍し、卒業に必要な単位を取得すると、卒業となります。
(例) 一橋、新宿山吹、砂川
高等専門学校(高専)
- ○
- 高専は、理工系のスペシャリストを養成するための学校で、5年間で卒業します。従って、途中からは、専門科目の授業は大学レベルの内容となります。卒業すると、「準学士」となり、短大卒と同じ扱いになります。
- ○
- 卒業後は、専門分野での就職、四年制大学の3年次に編入、併設の専攻科に進学、等の進路があります。
(例) 産業技術高専(1校のみ)
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